経営者にとっては「読書」と「漫画(マンガ)」、趣味としてはどちらがベターだろうか。一般的には読書の方が知的で自己成長につながるイメージがあるが、マンガも経営者の趣味としてナシというわけではない。メリットに気がつけば、むしろ「アリ」と考える人の方が多いかもしれない。

目次

  1. 経営者にとって「読書」は重要だが、マンガは?
  2. マンガには「読書」を超える効能も
  3. 【目的別】経営者におすすめのマンガ
    1. 「生き方や哲学」について学べるマンガ
    2. 「マネーや投資」について学べるマンガ
    3. 「企業経営」について学べるマンガ
    4. 「歴史」について触れられるマンガ
  4. 読書が続かない人にもおすすめだが、「選ぶ」意識を
哲学・マネー・経営・歴史、4つの視点で選ぶ経営者向けマンガ
(画像=studiostoks/stock.adobe.com)

経営者にとって「読書」は重要だが、マンガは?

読者の効能は確かに注目に値する。よく強調されるのは、さまざまな人の考え方や生き方を「疑似体験」することができることや文字の情報から脳内でイメージや映像を思い浮かべることで脳の強化にもつながる、といった点だ。

さまざまな視点が必要であり、かつ深く思考することが成功のために非常に重要である経営者にとって、確かに読書のこれらの効能は大きなメリットととらえることができる。

しかし、「さまざまな人の考え方や生き方を疑似体験できる」という観点では、マンガでも作品によっては同じような効果が得られる。人気書籍の中には反骨精神やモチベーションを養う作品も多いが、それはマンガにおいても同様だ。

また、「文字の情報から脳内でイメージや映像を思い浮かべる」といったことは、確かにマンガを読むことを通じてはできないが、マンガにおいても描かれていないコマとコマの間の状況や動きを無意識のうちに頭の中で画像化、映像化している。

マンガだから脳を鍛えることができない、というのは一方的すぎる考え方と言えるはずだ。

マンガには「読書」を超える効能も

ここまでは「読書の効能」を起点に、マンガにも同様もしくは類似の効能がないかを考えたが、一方、マンガには読書にはない効能もある。

たとえば、テキストとしてではなく画像としてストーリーが展開されているため、読む人の直感や心情に瞬間的に働きかけるパワーという観点では、マンガに軍配が上がる。

文字情報中心の書籍の場合、その内容が人間の本能を刺激するまでには、「読解」という過程が欠かせない。そのため、マンガに比べて直感や心情が刺激されるまでには、より多くの時間がかかる。

いずれにしても、趣味としての読書にもメリットがあり、趣味としてのマンガにもメリットがあることから、総合的にどちらが優れていると言い切ることは難しい。

【目的別】経営者におすすめのマンガ

経営者がマンガを趣味にするメリットがあることが分かったところで、「目的別」に経営者におすすめのマンガの作品を紹介していこう。

「生き方や哲学」について学べるマンガ

新作映画も公開され改めて人気となった「スラムダンク」は、誰もが知る高校バスケットボールをテーマにした作品だ。主人公の桜木花道を始め、1試合1試合にかける選手たちの情熱は、挑戦心や反骨精神を持つことの重要性をいつも読者に思い出させる。

同名のジブリ新作映画としても話題となっている、児童文学者である吉野源三郎さんの名作「君たちはどう生きるか」のマンガ版もぜひ手にしてほしい。生きるとは何か、という根本的な問いについて考えながら、自社の事業の方向性などに改めて思いを巡らせてみてはいかがだろうか。

「マネーや投資」について学べるマンガ

投資について学べるマンガは決して多くないが、筆頭として挙げられるのが「インベスターZ」だ。中高一貫校の投資部を舞台にした作品で、投資初心者も無理なく読める内容だ。

ドラマにもなった「正直不動産」では、不動産業界の裏側に焦点を当てた作品だが、不動産投資についての知識も多く得られる。

「企業経営」について学べるマンガ

企業経営に関するマンガを読みたいのであれば、「サラリーマン金太郎」シリーズや「島耕作」シリーズははずせないだろう。どちらも平社員から出世していく主人公の姿を描いており、その過程で経営者に必要な姿勢や考え方などに触れているシーンが多い。

また両作品とも、企業に属する1人の人間としてだけではなく、プライベートも含めて主人公のさまざまな葛藤が描かれており、読み応えは十分だ。

「歴史」について触れられるマンガ

歴史に触れられるマンガで人気の作品といえば、「キングダム」や「ゴールデンカムイ」がおすすめだ。

どちらの作品も史実が忠実に再現された完全ノンフィクションのマンガというわけではないが、キングダムは古代中国の春秋戦国時代の末期が舞台、ゴールデンカムイは明治時代の末期における北海道や樺太が舞台であり、歴史に関して学べる知識は多い。

読書が続かない人にもおすすめだが、「選ぶ」意識を

単純に「読書が続かない」「文字は苦手」という経営者にも、マンガはおすすめだ。小さい頃に読書の習慣がなく、大人になってからなかなか読書の習慣が続かないと悩んでいる人は少なくない。

ただしその場合、前述のようにしっかりと「何を得たいか」という目的を持って作品を選ぶ意識を忘れないようにしたい。ギャグ要素やエンタメ要素が強い作品は確かに楽しく読めてストレス解消にはなるが、経営者にとっての貴重な時間をそれらの作品に費やしすぎるのは考えものだ。

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文・一道