矢野経済研究所
(画像=metamorworks/stock.adobe.com)

普及に向けてステージを一段上がる介護ロボット市場

~ユーザーニーズを反映させた新製品が牽引することで、2025年度の市場規模は36億円まで拡大と予測~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役:水越孝)は、国内の介護ロボット市場を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

介護ロボットの市場規模推移・予測

矢野経済研究所
(画像=矢野経済研究所)

1.市場概況

本調査では、移乗支援(装着・非装着)や移動支援(屋外・屋内)、居室での使用や排泄予測などの排泄支援、浴槽への出入を補助する入浴支援、見守り支援(施設・在宅)などの機能を持ち、介護現場での使用を想定されたロボットを対象としている。厚生労働省と経済産業省は、自立支援による高齢者の生活の質の維持・向上と介護者の負担軽減の両方の実現を目的に重点分野を定めており、引き続き開発を支援している。
2021年度の介護ロボット市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年度比12.1%増の21億7,500万円と推計した。コロナ禍の影響もあり、外出自粛が続いていることで在宅向けのラップ式簡易トイレ、施設向け排泄予測ロボットなどが好調に推移している。

2.注目トピック

新製品や新機能が出ている用途で市場拡大に期待

介護ロボット市場拡大の条件と可能性は用途によって異なり、それぞれの用途・タイプごとに参入企業の顔ぶれは変わり、網羅的な市場参入は少ない。ユーザーニーズを反映させた新製品や新機能を持つ製品が上市されている用途での市場拡大が期待される。一方、屋外向け移動支援や入浴支援などの用途では機能向上などの提案は少なく、現状機能の延長線では市場拡大はあまり期待できない。
現状では投入された新製品の評価次第という用途も数多く、新たな提案によって介護ロボットの需要開拓はまだまだ期待できる余地はあると考える。

3.将来展望

移乗支援、排泄支援、見守り支援分野の用途では、いずれも新製品や新規参入企業による新たな提案が出ており、新機能や使い勝手、価格で見直しが図られている。2023年度以降は、ユーザーニーズを反映させて機能や価格を見直している介護ロボットの新製品が牽引することで、2025年度の介護ロボット市場規模は36億2,500万円まで拡大すると予測する。新機能についてはこれから評価が定まる製品もあるが、徐々に導入が進むことで市場全体が普及に向けたステージを一段上がると期待できる。

調査要綱

1.調査期間: 2022年5月~9月
2.調査対象: 国内の介護ロボットメーカや販売会社、それらを応用したシステムの取り扱い企業に加え、介護ロボットに関連する技術開発に取り組む企業や関連団体、関係省庁等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話やeメールによるヒアリング調査、ならびに文献調査併用
<介護ロボットとは>
本調査における介護ロボットとは、介護者もしくは被介護者の行動(動作)を支援するサービスロボットを指し、介護者もしくは被介護者が使用することで、(身体的、精神的な)負担軽減や業務効率化に資するものとする。
他にも医療用やリハビリテーション用、自立支援用、産業用などのロボットとして製品化された事例もあり、介護用との区分けが難しい場合もあるが、本調査では介護現場での使用を想定・提案している製品のみを対象とする。
<市場に含まれる商品・サービス>
移乗支援ロボット、移動(歩行)支援ロボット、排泄支援ロボット、入浴支援ロボット、見守り支援ロボット

出典資料について

資料名2022 介護ロボットの可能性と将来性
発刊日2022年09月28日
体裁A4 137ページ
価格(税込)165,000円 (本体価格 150,000円)

お問い合わせ先

部署マーケティング本部 広報チーム
住所〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2
電話番号03-5371-6912
メールアドレスpress@yano.co.jp

©2022 Yano Research Institute Ltd. All Rights Reserved.
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。