コロナ禍に伴う巣ごもり消費の影響からインターネット通販の利用は急拡大
~2020年の国内インターネット通販市場規模(物販系分野)は12兆2,333億円(前年比121.7%)※経済産業省データ~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内インターネット通販(主に消費者向け物販分野)市場の調査を実施し、商品・サービス分野別、参入企業の動向を明らかにした。
1.調査結果概要
経済産業省による電子商取引に関する市場調査※によると、2020年の物販系・サービス系・デジタル系分野を含むBtoC-EC市場規模は、19兆2,779億円(前年比99.6%)となっている。このうち物販系分野は12兆2,333億円(前年比121.7%)であった。
同データ※によると、市場規模の約6割を占める物販系分野では、コロナ禍の消費行動の変化が追い風となり、物販における各商材分野すべてが二桁成長という結果となった。
インターネット通販(EC)市場をけん引するのは、例年同様アマゾンジャパンとなっており、2020年の売上高は2兆円を超え、伸長率も二桁成長を維持している。家電量販店のインターネット通販売上高も好調であり、経済産業省データ※においても、生活家電やAV機器等の電子機器類のEC化率は増加傾向にあることから、今後も拡大基調は続くとみる。また、食品関連のインターネット通販市場もネットスーパーを筆頭に拡大基調とみられるが、同市場に限らず、食品関連全般において断続的に続く値上げの影響が今後の売上にどう響くかが懸念される。
※出典:経済産業省「令和2年度電子商取引に関する市場調査」
2.注目トピック
ラストワンマイルの動向~ECにおけるクイックコマースが活性~
利用者にとって利便性の高いサービスが強化されていく中で、インターネット通販(EC)市場は成長をつづけており、オンラインショッピングは主要な物販チャネルとなった。
また、「より早く商品を届けてほしい」という利用者需要も高まっているとみられ、注文してからその商品が届くまでの時間が非常に短いクイックコマースが注目を集めている。クイックコマースは、Uber Eatsなどのフードデリバリーやネットスーパーが代表的であるが、Amazonの会員制による当日配送や食料品や日用品を扱うZホールディングスのクイックコマース「Yahoo!マート by ASKUL」の本格展開など、食料品だけでなく日用品に関しても、よりスピーディーに配送するサービスが増えている。今後、フードデリバリー事業者による法人向けサービスの展開など、クイックコマースのサービスはその対象を広げていくと予想する。
調査要綱
1.調査期間: 2022年4月~6月 2.調査対象: 通信販売事業関連企業 3.調査方法: 当社専門研究員による直接面接(オンライン含む)及び電話によるヒアリング、文献調査併用 |
<インターネット通販市場とは> 本調査におけるインターネット通販市場とは、インターネットをチャネルとする消費者向け(BtoC)の電子商取引(E-Commerce)をさし、主に物販、サービス、デジタルの3分野を対象とする。 |
<市場に含まれる商品・サービス> 【物販】①総合小売(通販、カタログ、TV・百貨店・GMS・CVS) ②家電・パソコン・関連商品 ③書籍、映像・音楽製品 ④食品、飲料・酒類、健康食品 ⑤医薬品、化粧品 ⑥家具・インテリア、雑貨、日用品 ⑦衣類・服飾雑貨等 ⑧スポーツ用品 ⑨自動車・二輪車、パーツ等 【サービス】⑩宿泊・旅行サービス、交通機関 ⑪飲食関連サービス ⑫興行チケット予約 ⑬金融サービス(ネット銀行・ネット証券) ⑭ネット専業生命保険 ⑮理美容関連サービス ⑯フードデリバリーサービス 【デジタル】⑰電子出版(書籍・雑誌) ⑱有料音楽配信 ⑲有料動画配信 ⑳オンラインゲーム |
出典資料について
資料名 | 2022 ネット通販市場白書 |
発刊日 | 2022年06月27日 |
体裁 | A4 595ページ |
価格(税込) | 165,000円 (本体価格 150,000円) |
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