三菱商事、デンカとフラーレン事業に関する合弁契約を締結

三菱商事株式会社(8058)とデンカ株式会社(4061)は、炭素の先端素材であるフラーレン事業に関する合弁契約を締結した。

本契約に基づき、デンカはフラーレンの製造販売事業を行うフロンティアカーボン株式会社(東京都千代田区、以下 FCC社)の株式50%を三菱商事より取得し、FCC社を共同で運営する。

三菱商事は、世界中に広がる約1,800の連結対象会社と協働しながらビジネスを展開する総合商社。幅広い産業を事業領域としている。

フロンティアカーボンは、フラーレンおよびフラーレン応用製品の製造・販売を行う。

デンカは、フラーレンおよびフラーレン応用製品の製造・販売を行う。

背景・目的

フラーレンは、炭素原子がサッカーボール状の構造を持つ、ナノメートルレベルの分子。優れた電気特性や熱安定性を備え有機溶媒に溶けることから、有機薄膜太陽電池の発電層として活用。また、次世代太陽電池として注目、ペロブスカイト太陽電池の材料としての活用も検討されている。スマートフォン等に用いられる各種センサーの材料としても注目を集めており、今後も新たな用途への展開が見込まれている。

三菱商事は、2001年にFCC社を設立して以降、長期にわたる顧客との技術協議や販売ネットワークの構築を通じ、産業用フラーレンの市場を開拓してきた。また、フラーレン物質特許など多数の特許を保有しており、多様な産業に携わる総合力を活かして、今後もFCC社の更なる成長に寄与していく。

デンカは、高純度で優れた導電性を有する炭素素材であるアセチレンブラックの量産実績から、これまで培ってきたカーボンナノ材料の知見や製造技術をフラーレン事業に応用しFCC社の更なる発展を支えるとともに、デンカが保有する製造設備等のユーティリティを活用することで、事業インフラの構築も支援していく。これにより、デンカはカーボンナノ材料マーケットでのプレゼンス向上を図り、当分野での事業拡大を進める。

三菱商事とデンカは、販売と技術開発の両面でそれぞれの知見や強みを掛け合わせ、フラーレンの普及を推進するとともに、用途市場の立ち上がりによるフラーレン需要増に応えるため、生産増強体制の構築を目指すことで、FCC社の事業を通じて社会課題の解決に取り組んでいくとしている。

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(提供:日本M&Aセンター

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