(本記事は、アイヴァン・マイズナー、マイク・マセドニオ、大野真徳(著者)の『リファーラルマーケティング』=アチーブメント出版、2015年6月30日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)
リファーラルマーケティングの“矛盾”
もし、経済状況や競合他社の動きに左右されず、年々ビジネスを成長させる方法があるとしたら、どう思いますか?じつはそんな方法が存在します。それはリファーラルマーケティングと呼ばれています。
リファーラルマーケティングには“矛盾”が存在します。というのも、ほとんど誰もが「リファーラル」という言葉を知っていて、それが事業者にとって重要であるということも理解しています。にもかかわらず、その具体的な活用方法を知っている人はほとんどいません。つまり、これは「世界的に有名なマーケティングの秘密」だといえます。
リファーラルマーケティングは、世界で最も効果的であると同時に、最も理解されていないマーケティング戦略です。リファーラルを通じてマーケティングをするというコンセプト自体は、専門家のあいだにも浸透しているのですが、マーケティングの教本にリファーラルマーケティングが登場することはめったにありません。申し訳程度に触れることはあっても、どうすれば実際に質の高いリファーラルを生み出すことができるのかについては、詳細に説明されていることは、全くと言っていいほどありません。ごくまれにリファーラルマーケティングについて触れている場合でも、経営者や事業者が行動に移せるような、明確で簡潔な体系的プランは提供されていません。中には、細かい部分ばかりに注目していて、プロセス全体を示していないケースもあります。
「クチコミのファクター」
多くの事業者が、リファーラルでビジネスを成長させるには、「質の高い顧客サービス」を提供するだけで十分だという誤解をしています。質の高い顧客サービスは、ビジネスの長期的な成功の前提条件です。しかし、顧客サービスの質を高めるだけでは、リファーラルマーケティングが生み出せるような多くのビジネスを生み出すことはできません。その理由の1つは、私たちが「クチコミのファクター」と呼ぶものにあります。
クチコミファクターは、以下の論理ステップにより説明することができます。
- 人は、あなたの会社のサービスに満足だったときよりも、不満だったときにそれを人に話してしまいやすい
- したがって、質の高い顧客サービスは、どちらかというと、リファーラル数を増やすことよりも、悪いクチコミを減らすことと関係している
- したがって、リファーラルを通じて売上を伸ばすには、顧客サービスの質を上げるだけではなく、よいクチコミを増やす必要がある
要するに、質の高い顧客サービスを提供すれば悪いクチコミを減らすことはできますが、売上を伸ばすためには、それだけでは不十分だということです。売上を伸ばすにはリファーラルマーケティグのスキルを身につけることが必要なのです。
米国西海岸にある、とある調査会社の調べでは、自動車整備のサービスに不満をもった人は、22人にその体験を話すそうです。また、テキサスにある調査会社の調べでは、銀行に不満をもった人は、11人にその不満をもらし、最終的には、その11人のそれぞれが5人にマイナスのクチコミを広げるそうです。言い換えれば、1人の顧客の不満を66人が聞くことになるということです。それも、「第2世代」の55人が聞くのは尾ひれの付いた話に違いありません。
この調査結果が部分的にでも真実であるなら(真実でないと思う理由はありませんが)、質の高い顧客サービスは、せいぜい悪いクチコミを減らしたり、かき消したりすることはできても、よいクチコミを広めることについては、おそらく大した効果はありません。それにもかかわらず、非常に多くの経営者が、ただ優れた商品やサービスを提供しさえすれば、顧客は群れをなしてやってくるという誤解をしています。はじめて会社を経営する場合は特にその傾向があります。
リファーラルでビジネスを成長させるための基本戦略
これまで見てきたように、多くの人が、よいクチコミというのは独りでに適切なターゲットの元に届くものだという誤解をしています。これは希望的観測にすぎません。あれよあれよと売上が伸びるかというと、実際は、そんなにすぐ効果が出るわけではありません。
以上から必然的に導かれる結論は、リファーラルをベースにした安定的なビジネスを築くためには、自分自身で、ステップを踏んで、リファーラルを生み出すために行動する必要があるということです。
成功のカギとなるのは、以下の2つの戦略です。これらは本書の主題でもあります。リファーラルによってビジネスを発展させたい事業者は、以下の2点を達成する必要があります。
- 強力かつ多様な人脈を築くこと
- ポジティブなメッセージを生み出し、それを効果的に伝えること
今日、ビジネスで成功を収めるには強みが必要とされています。これは、勝ち残るには、かなりのクリエイティブさが要求されるということを意味します。マーケティングにおけるクリエイティブさの重要性は、いまや企業や各種専門家にとって、成功のための基本戦略になっています。
よい例を1つご紹介します。ある建物に3件の店が並んで入っていました。不景気な時分でした。売上アップを期待した左端の店が、入り口に「年末クリアランスセール!」という看板を出しました。これを見た右端の店は「在庫処分セール!」という看板で対抗しました。
真ん中の店は、すぐに対抗策を講じないと、売上が下がってしまうことは目に見えていました。検討に検討を重ねた末、店のオーナーは次のような看板を店の入り口に掲げました。「入り口はこちら」
このストーリーの教訓は、景気をコントロールすることはできないし、競合他社をコントロールすることもできないが、それらに対する“自分自身の反応〟をコントロールすることはできる、ということです。
【世界の「ビジネス書」著者も絶賛!】
人生でたった一冊しかネットワーキングに関する本を読まないとしても、この本さえ読めば成功に必要なすべてを得ることができるでしょう。シンプルで飾らない、究極のリファーラルマーケティングの手引きです。
『こころのチキンスープ』著者 ジャック・キャンフィールド
いつの時代にも必要不可欠な一冊です。紹介をもとにしたマーケティングでビジネスを強力に後押しし、つねに競合他社の先を行く存在になるにはどうすればよいのか。本書を読めば、あなたが知るべきこと、実践すべきこと、そしてあなたの取るべき態度のすべてを知ることができるはずです。
40冊以上の書籍の著者 ブライアン・トレーシー
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