美味しく持続可能な代替肉を提供するオーストラリア発のスタートアップ「v2food」とは
(画像=v2foodのNick Hazell CEO(左)出/経済界)

肉を愛する人々への新たなアプローチ

環境にも配慮したい肉好きの皆さんには、v2foodがその答えとなるかしれない————

SDG‘sが声高に叫ばれる昨今、2025年には関連市場規模が世界全体で700兆円になるとも言われているのがフードテックの領域だ。

その背景には、人口増加による食糧危機や食肉の生産過程におけるCo2排出量、資源の枯渇など、食にまつわる様々な問題の深刻化がある。

そのような状況下で、2021年8月6日にオーストラリア発の代替肉スタートアップ「v2food」がシリーズBラウンドにて、新たに4500万ユーロ(約58億円)の資金調達を完了した。

v2foodは、世界人口100億人の時代に向けて。食肉業界に反対するのではなく「協力」を掲げ、肉が好きだからこそ、より良いかたちで肉を生産・消費していくことを目指し、肉を愛する人々に新たな姿勢でアプローチする、オーストラリア最大の代替肉企業のひとつ。

代替タンパク質分野は競争が激しく、数多くの企業が新規参入している。そこで大型の資金調達を完了したv2foodは、今後はオーストラリア、アジアに加えて、食品規制の厳しいヨーロッパへの進出を見据えているという。

「version 2のお肉を作る」をミッションに掲げ、バーガーキングとパートナー提携し、つい最近日本にも進出を遂げた、同社の特長や成長の秘訣に迫る。

美味しく持続可能な代替肉を提供するオーストラリア発のスタートアップ「v2food」とは
(画像=経済界)

家畜を増やさずにより多くの肉を作る

v2foodのミッションは「肉を美味しく、栄養価が高く、次の世代に持続可能なものにすること」。

現状として、人口増加とともに食肉消費量は増加の一途をたどっている。そう遠くない将来に世界人口が100億人を突破することを考えると、このままのフードシステムでは崩壊してしまう。

また畜産は温室効果ガスの排出・土地の劣化・生物多様性の損失といった環境問題の大きな原因となってしまっている。

そこでv2foodは、肉が好きだからこそ、より良いかたちで肉を生産・消費していこうというスタンスを持って、植物から肉を作ることで気候変動の問題の解決に取り組んできた。

動物の肉をなくす方法ではなく、家畜を増やさずにより多くの肉を作る方法を見つけることを念頭に置き、オーストラリアの国立科学機関CSIROと協力して、見た目も味も本物の肉に近い植物ベースの代替肉を開発。

2019年10月に立上げ、11月に3500万ドルのシリーズA資金調達を行い、オーストラリアに新しい生産施設を建設するというかなり速いベースで拡大を遂げている。

今回の資金調達も含めて、その目覚ましい成長スピードの背景には「地球規模の問題には即時の解決策が必要であるため、迅速に手立てを打つことが不可欠」という企業理念がある。

MasterFoodsとPepsiCoのR&D部門で働いた経歴をもつ、CEO兼創業者のNick Hazell(ニック・ハゼル)氏は、「世界が食糧を生産する方法を変革したい」と語っている。

今回調達した資金もR&Dと事業拡大にあてるそうだ。今後も同社の進化のペースが衰えることはないだろう。

バーガーキング社長も本物の肉と思い込んだ代替肉

ハゼル氏は、バーガーキングの看板商品であるWhopper(ビッグサイズのハンバーガー)と、同社が作ったWhopperを使って、プレゼンテーションを行った。

オーストラリアのバーガーキングのCEO、Jack Cowin(ジャック・コウィン)は、v2foodが作ったWhopperを本物の肉だと勘違いして選択した。

このエピソードからわかることは、CEOが自社の主力商品を間違えるほどに、v2foodが本物の肉と近い見た目や味を植物ベースの代替肉で実現しているということだ。

同社は現在、植物ベースの牛ひき肉とパティ、ソーセージ、調理済みのボロネーズソースを作っており、これは代替タンパク質企業の大半がまず参入する、非常に激しい競争のある領域だが、ここにおいて差別化している要素の一つが、先に述べた本物の肉に限りなく近い見た目と美味しさの実現である。

それに加えて同社は、身体に優しい栄養のある製品を提供することにもこだわっている。

v2foodの植物ベースの代替肉バーガーは1食あたり20gのたんぱく質を含み、主原料は大豆たんぱく、野菜油、天然香料、たまねぎ、ハーブなどを使用。ビタミンB群とミネラルで栄養価を高くしているという。

また、v2Foodの製品にはGMO(遺伝子組み換え作物)、防腐剤、着色剤、香料が含まれていない。これは食品規制の厳しい欧州マーケットに参入するにあたり、非常に有利に働く。

バーガーキング社長も本物の肉と思い込んだ代替肉

ハゼル氏は、バーガーキングの看板商品であるWhopper(ビッグサイズのハンバーガー)と、同社が作ったWhopperを使って、プレゼンテーションを行った。

オーストラリアのバーガーキングのCEO、Jack Cowin(ジャック・コウィン)は、v2foodが作ったWhopperを本物の肉だと勘違いして選択した。

このエピソードからわかることは、CEOが自社の主力商品を間違えるほどに、v2foodが本物の肉と近い見た目や味を植物ベースの代替肉で実現しているということだ。

同社は現在、植物ベースの牛ひき肉とパティ、ソーセージ、調理済みのボロネーズソースを作っており、これは代替タンパク質企業の大半がまず参入する、非常に激しい競争のある領域だが、ここにおいて差別化している要素の一つが、先に述べた本物の肉に限りなく近い見た目と美味しさの実現である。

それに加えて同社は、身体に優しい栄養のある製品を提供することにもこだわっている。

v2foodの植物ベースの代替肉バーガーは1食あたり20gのたんぱく質を含み、主原料は大豆たんぱく、野菜油、天然香料、たまねぎ、ハーブなどを使用。ビタミンB群とミネラルで栄養価を高くしているという。

また、v2Foodの製品にはGMO(遺伝子組み換え作物)、防腐剤、着色剤、香料が含まれていない。これは食品規制の厳しい欧州マーケットに参入するにあたり、非常に有利に働く。

オーストラリア最大の代替肉企業から世界へ

まずは、オーストラリアでトップの企業を目指す。とCEOのハゼル氏は語った。

それからパートナー企業のBurger Kingが、同社のパティを使ったWhopperの提供を開始したアジアや、食品規制が厳しい欧州でも拡大を図っていく見込みだ。

現在、オーストラリア国内では、同社の食品が大手スーパーなどで広く販売されており、「ハングリージャック」(バーガーキングのフランチャイズ店)という外食チェーンでも取り扱われている。

2020年2月には隣国ニュージーランドのバーガーキングで販売が開始され、アジアでは現在、タイ、フィリピン、日本、韓国でバーガーキングのパティに使用されている。また、中国ではv2minceの豚肉風が小売りで販売開始された。

バーガーキングでの成功は、v2foodの今後のアジア進出において追い風にもなるかもしれない。

さらに2021年4月からEUの新制度に移行し、動物性加工済原料及び植物性原料からなる加工食品を「混合食品」として独自の規制を設けているヨーロッパでも、進出の兆しは見える。

先に書いたような栄養価が高く非GMOのv2food製品は、多くの大手競合社が厳しい規制のために欧州マーケットに参入でない中で、一足早く独自の立ち位置を築くことができるかもしれない。

フードテックの潮流は日本にも

日本のバーガーキングでは、2020年12月に「プラントベースワッパー」が発売され、その後2021年2月にアボカドが追加された「アボカドプラントワッパー」も発売された。

さらに今年8月に入ってから、植物性パティをバンズの代わりに使用した「バージョン2ワッパー」が期間限定で発売され、期間中に販売終了となるほどの好評を博した。

日本は、欧米に比べるとまだまだ市場規模が小さいが、ここ数年で国内の大手企業やベンチャー企業がこぞって代替肉の開発を進めている。通販はもちろん、一部大手小売店でプラントベースの代替肉商品が購入できるようになってきた。

昨年、オランダのプラントベース代替肉のスタートアップベンチャーである『The Vegetarian Butcher』も日本に上陸した。

アメリカでは、「Beyond Meat」や「Impossible Foods」といったスタートアップ企業が急成長を遂げており、スーパーマーケットで気軽に手に入れることができるほどプラントベースの代替肉が広く普及している。Googleやビル・ゲイツなどが出資を行っていることでも話題だ。

コロナ大流行で世界的なブームになりつつある植物ベースの代替食とフレキシタリアン(準菜食主義)。そして世界大手のファストフードのメニューが植物ベースに移行しつつある。

日本でも、最近、環境に配慮した商品を選ぶ人が増えてきている。今後市場が広がれば、より気軽に代替肉を手に入れることができるようになるだろう。

フードテックはますます大きなムーブメントを巻き起こすに違いない。 (経済界電子版より転載