無編集動画でトップユーチューバーになったもふ社長に聞く「これからの投資」
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シリコンバレーで起業し、企業と投資家に関する豊富な情報を武器に活躍するハックジャパンCEOの戸村光氏。本連載では、資金調達、資本提携/協業、買収といったさまざまな事例を取り上げ、その背後にあるマネーの動きと企業戦略を、同氏が独自の視点で分析していく。(『経済界』2020年12月号より加筆・転載)

 今回はユーチューバー、ブロガー、不動産投資家、エンジェル投資家として幅広く活躍する、もふさんに話を聞いた。

 不動産業界のトップユーチューバーになるまでの戦略、不動産投資の手法、新型コロナウイルス禍による市場の変化がどのように影響したかなど、もふ社長と筆者の経験をもとに紹介する。

分析、調査から導き出すもふ社長の戦略

 もふさんは今から2年前、何か面白いことがしたいと考え、YouTubeを始めた。

 チャンネル登録者数の意味すら分からず始めたYouTubeで、もふさんがとった戦略は革新的なものであった。

 普通のユーチューバーのスタイルだと撮影後に字幕を付けたり編集が大変だったりするが、もふ社長はスマホ1つ、無編集でチャンネル登録者25万人突破という結果を出している。そこには長年のサラリーマンとしての経験を生かした戦略があった。その戦略とは、大きく以下の3つである。

① 撮影後ではなく、撮影前の準備に時間をかける。

 まず、編集などはせず、スマホ1つで動画をより早く、多く投稿できるようにするために、事前に話す内容のスライドを準備して視聴者に分かりやすく説明する手法を取った。これはサラリーマン時代に磨いた、聴衆に分かりやすく解説するプレゼンスキルをそのまま活用したものだという。

② 視聴者が何を求めているかを考え、分析、調査して提供する。

 YouTubeで集客するには、動画を投稿した後の視聴者の動向、再生回数の伸び率などをもとに、一番求められているものを模索して、改善を繰り返す事が重要である。

 もふ社長はさまざまな改善を加える中で、時間を有効に使うためにいかに短い時間でライバルに勝てるかを分析し、現在のスタイルを確立した。

 「YouTubeのみならずどの業界においても、一部のノイズに騙されず、真の顧客の声を聞き分けることが大事」だという。

③ 1つに依存せず、常に新しいことを試す。

 また、好調なときほど、1つのプラットフォームに依存するのではなく、別の収入の柱を作るために常に新しいチャレンジにお金を使うことが大事だという。

 「いま好調のYouTubeもブログもいつ変化するか分からないので、危機感を持ちながら何か起きる前に複数のプラットフォームを作り、準備しておくことです」と、もふ社長は話す。

経済界
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もふ社長が実践する不動産投資の手法

 「不動産投資は企業と顧客の利益が相反している」と、もふ社長は語る。

 例えば、1億円の物件をそれ以下の価格で購入できると顧客側の利益になるが、同等、またはそれ以上の価格で買ってしまうと、当然のことだが顧客側の利益は縮小、またはマイナスになる。

 「不動産投資ではどの物件を買うときも、買ったらどこが利益を得るのかいうことを事前に自らがしっかりと分析、調査しなければいけません。他人やAIに勧められただけで、市場のことを理解せず物件を買ってもうまくいく可能性は限りなく低いからです。自ら価値を見極めて、市場動向や土地の価値などすべて精査してから、最終的に買うという判断に行き着かなければなりません。何の調査もせず、会社や個人の物件を買うのは自滅行為です」と、もふ社長は指摘する。

 もふ社長が実際に行っている良い物件の見分け方のポイントは次の2つだ。

① 買った瞬間に売却しても、利益が出る物件しか買わないようにする。

② その物件を見つけるために、毎日膨大な数の物件を見る。

 良い物件ほど誰かが簡単に紹介してくれるわけはないので、自分で見つけるしかない。

 自分の目利き力を鍛え、訓練をする必要がある。自らの不動産投資の手法を「石ころの中からダイヤモンドの原石を掘り当てて、自分たちでキラキラにして宝石屋に売るイメージ」ともふ社長は語る。

 新型コロナウイルスが猛威をふるう中、その影響で不動産の市場がどのように変化したかという質問に対しては、「意外にも都心の物件は価格は下落していません。逆に誰も買わないような地方の物件は下がっている」と言う。

 その理由として、リーマン・ショックの時とは違い、今回は金融不安がおこっておらず、金融機関からの融資も受けやすい。それに加えて資金を持っている人が比較的多いことが挙げられる。

 今後、融資が受けにくい状況になれば、物件の価格が下がる可能性もあるが、今のところ不動産の購入に関心が高い人は多いようだ。

 不動産投資の手法は江戸時代から既に確立されている。長い歴史の中で培われた投資手法を堅実に実行することによって1代で財を築き上げた者もいる。

 それにもかかわらず、失敗を繰り返す人や、自己破産者などが後を絶たない理由は、投資の基礎をしっかりと教えない日本の学校教育に起因するところが大きいと考えられる。

 ちょっとしたきっかけで情報発信を始めたもふ社長のYouTubeチャンネルの登録者は、今では25万人を超え、日本でトップレベルのビジネスユーチューバーに成り上がった。

 もふ社長の情報発信により、一人でも多くの日本人が投資家としてのリテラシーを高めることに成功し日本の経済成長が促進されることを願ってやまない。なお、もふ社長が展開する各メディアは以下の通りである。

●もふもふ不動産メディア 

https://mofmof-investor.com/

●株式会社White Sunのコーポレートサイト

https://white-sun.co.jp/

●もふもふ不動産YouTube

https://www.youtube.com/channel/UCsWTZ4nYODCwlE8rdv7DZzA

経済界
戸村 光(とむら・ひかる)
1994年生まれ。大阪府出身。高校卒業後の2013年に渡米し、14年スタートアップ企業とインターンシップ希望の留学生をつなぐ「シリバレシップ」というサービスを開始し、hackjpn(ハックジャパン)を起業。その後、未上場企業の資金調達、M&A、投資家の評価といった情報を会員向けに提供する「datavase.io」をリリース。一般向けには公開されていない企業や投資家に関する豊富なデータを保有し、独自の分析に活用している。